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コラム―トピックス “演唱会”というもの 中国において、戯曲の公演には一般にやる芝居ほかに「演唱会」というものがあります。 京劇に限らず、中国の戯曲では「この芝居のこの節回しがイイ」といった名段(名の知れたくだり)があって、それをナマ伴奏でカラオケのようにうたうのが「演唱会」です。 一般に、舞台衣装ではなく盛装(会の規模によっては普段着)で登場してうたう「清唱」という形式が多いですが、実際の舞台と同じように舞台衣装を纏ってメイクもしてうたう「彩唱」という形式もあります。 票友(アマチュア)がメインのものから国家が主催のものとその規模はさまざまです。 大規模で究極といえば、一般人が立ち入ることが出来ない共産党幹部が住まう故宮の「中南海」で催される公演でしょうか。そのような公演となると客席はいつもニュースに出てくる共産党幹部の面々が勢ぞろい。舞台は普段お目にかかれない人間国宝のような名優たちまで登場します。当然ながらこのような公演に一般人が入って見ることは出来ません。 一般に「演唱会」が大掛かりに開かれるは、春節(旧正月)や労働節(メーデー)などの年中行事のときや、京劇史に残る名優の記念公演のときなどです。 名優の記念公演の演唱会では、たいていその名優の流派を受け継ぐ俳優を始めとして、その名優とゆかりがある俳優たちが出てきます。他にも会の趣旨によっては、所属する京劇院を問わない今まさに活躍している一流の俳優たちが集う、ものすごいレベルのものもあります。 そういう公演では必ずといっていいほど毎回、観客が舞台から離れることを許さない役者というのがいます。プログラム通りにうたい終えて幕間に引き下がっても、客席から「唱一段!(もっとうたえ!)」という声と怒涛のように鳴り止まない拍手で再び引き戻されてしまうのです。進行役の司会者が強引に進めようものなら観客から恨みを買ってしまう勢いです。やるほうもそれだけでは終わらないことは重々わかっており、たいていアンコール曲は打ち合わせして準備しています。しかし、予想以上にアンコールが度重なることがあり、次は何をやるかを楽隊に二言三言ささやいてその場で決めてうたう、なんてこともしょっちゅうです。 お客もただアンコールを求めるのではなく、時として客席から具体的に「ここをうたってくれ」と言った声があがることもあります。お客は流派や芝居が他の俳優とかぶっていようが、時間がどれだけ過ぎようが、とにかくききたいものはききたいのです。こういう調子なので演唱会のタイムスケジュールは予定とおりに行かずに時間がおして、プログラムの内容でさえ変わってくることが多いです。 客層にもよりますが、客席からはダイレクトで観客の声が聞こえてきて面白いです。会の主催者、内容、俳優などを見ると、いろいろな面白い背景が見えてきます。「演唱会」は俳優のノドを鑑賞するのはもちろん、実に興味深いものでもあります。 具体的なエピソードはまたの機会に。 |
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2002/12/27